国内と海外の環境の違い
例外も多いのですが、詳しくは FM broadcasting (Wikipedia English) などを参照してください
項目 日本国内 Japan 海外 World wide FM 周波数範囲
FM Broadcast bands76-90MHz 87.5-108MHz AM 周波数範囲
AM Broadcast bands531-1602kHz 9kHz間隔
531-1602kHz 9kHz channel spacing520-1,610kHz / 9kHz または 10kHz間隔
520-1,610kHz / 9kHz or 10kHz channel spacingFM 放送のプリエンファシス
FM pre-emphasis50us (マイクロセカンド) 50us or 75us (micro second) 電源
Power supply100V / 50Hz または 60Hz
100V / 50Hz or 60Hz100V-240V / 50Hz または 60Hz
100V-240V / 50Hz or 60Hz
海外向けは対応電源電圧と FMのプリエンファシスの時定数をユーザーで切り替えられるものもあります。
AM放送にはアナログチューナーでは 520-1,610kHzの範囲に対応することで国内と海外で共通にしているようです。
デジタルシンセサイザー方式の場合はAM放送には周波数間隔の問題があり、ハードウエアかソフトウエアの変更で対応をしています。BCLラジオでは間隔の切替ができるものがありますが オーディオチューナーではどうでしょう。
欧州向けには FM/AM の他に LW を受信可能なチューナーも結構あります。
KT-2020L のように 最後に "L" が付いているものは可能性が高いです。
国内向け製品でも基盤には LW 用のパターンが残っている場合があります。
参考 : ケンウッドの海外外向けサービスマニュアルに掲載の地図![]()
各社の型番の付与状況
アキュフェーズ
T-100 〜 T-1000 までのすべてのチューナーで国内と海外の型番は同じです。
ただし T-110CS は国内のみの発売です。
型式は同一でも電圧や受信周波数は当然変えてあります。
それ以外にも仕様が違う可能性もあります。
Sansui サンスイ
- 国内と海外向けで同じもの
TU-9900, TU-X1
周波数等の違い以外にも、TU-X1の場合は国内向けは固定出力となっている端子が、海外向けではドルビー出力となっています。
型番が同じだからといって仕様が全く同じとは限りません。- 国内と海外向けで規則的に変えているもの
国内: TU-207, TU-307, TU-707
海外: TU-217, TU-317, TU-717
国内向けと海外向けを間違えて買うことも無く、比較するときも分かり易くていいですね。
電圧や受信周波数が違うだけでも別機種として扱った方がよかったのでしょう。- 国内と海外向けでズレているもの
TU-507 は海外向けは TU-417 が対応します。
TU-517 というチューナーがありますがワンランク上のチューナーです。
TU-407 という型番にしなかったのは AU-407 というアンプがなかったせいかな。(海外向けは AU-417, AU-517 ともに存在する)
縁起を担いで四を避けたんでしょうか。- 海外向けしか存在しないもの
TU-710 は対応する国内向け製品がありません。
Tuner Information Center によるとTU-717と僅かに部品が違うだけらしいです。
TU-707 には前期型と後期型があるという人がいますが、関係がある可能性があります。
TU-107〜TU-307がマイナーチェンジ後に国内では TU-107U などと型名を変えました。
海外ではマイナーチェンジ後も型名を変えずに販売されています。
TU-710 では型名を変えたのは目新しさが必要だったのでしょう。
だとすると国内では TU-707Uとしなかったのは変更が微細すぎたせいでしょうか。- 国内向けしか存在しないもの
TU-D607 は海外向けで対応する機種がありません。
というか海外向けの TU-719 と TU-519 の折半みたいな機種です。
中間の TU-619 というものは存在しません。
海外では TU-D はデジタルシンセサイザーチューナーのみで使われています。- 国内と海外向けで全く違うもの
TU-D707 に対応する海外向けは TU-919 です。
国内向けを TU-909とすればよかったのでしょうが、価格的に AU-D707とペアにしたかったのでしょう。
TU の D はデジタルで AU のD はダイヤモンドの略でしょうけど。- サンスイアンプにおける型番の比較
The Best of SANSUI では山水のアンプの型番の日本国内向けと海外向けの比較をされています。
同年代のアンプとチューナーは似たような系列になっています。
TRIO KENWOOD トリオ・ケンウッド
- L シリーズ
すべてのチューナーで国内と海外の型番は同じです。
ただし L-03T は国内のみでの発売です。
また L-1000T は海外のみでの発売です。
アンプやアナログプレーヤー、CDプレーヤーも同様に国内と海外の型番は同じです。
KT シリーズの命名方法をゴチャゴチャした長屋とすれば、L シリーズはスッキリしたオサレなマンションという感じです。- KT シリーズ (その1)
支離滅裂で何とも理解できない命名です。
国内のKT-7700 相当品が海外では KT-8300, KT-9900という型番になってます。
KT-7700 にはない AM受信機能があるため違う型番にしたかもしれないのですが、
国内ではご存知のとおり KT-8300 や KT-9900 という全く別の機種が存在するんです。
ブランドが国内はトリオ、海外はケンウッドだから区別できると考えたのでしょうか。
外国の掲示板にトンチンカンな書き込みをしないように気をつけましょう。- KT シリーズ (その2)
上記の不整合はパルスカウントチューナーになってから解消されました。
日本国内の KT-9700, KT-8300, KT-9900 の海外向けはそれぞれ、
600T(650T), KT-815, KT-917 と4桁と3桁で区別されています。
すっきりして分かり易くなりました。- KT シリーズ (その3)
KT-1000, KT-1100 では国内も海外向けも同じ型番です。
デザインもスッキリしましたが、型番もスッキリでいいですね。
KT-1100 は一目見て海外向けにだけデジタル表示があることに気付きます。
何回も書いていますが、型番が同じでも仕様が違う一例です。
なお海外では KT-1000 には同じ型番で古い時代の別機種が存在します。(国内は不明)- KT シリーズ (その4)
シンセ化直後の KT-2020 と KT-3030 は変則的な命名です。
対応するアンプは国内でも海外でもそれぞれ KA-990SD と KA-1100SD です。
対応する海外向けチューナーの型番は KT-990SD と KT-1100SD です。
海外では KT-2020という全く別のチューナーがあります。
どういう訳か (その1) に戻ってしまった感じです。
KT-3030 の型番は外国でも強度のマニアは知ってるようです。- KT シリーズ (その5)
(その4)で一度は紅蓮地獄に逆戻りした命名方法ですが・・・
KT-1100D は海外でも KT-1100D です。対応するアンプは KA-1100D。
KT-1000, KT-1100 以来の清々しい命名です。
ところが D-3300T の海外向けは KT-3300D です。う〜ん、まあいいか。
アンプも変えないといけないと考えたのか D-3300A の海外向けは KA-3300D です。
どちらかというと日本国内の命名がヘンです。
海外向けは素直な命名なのに、国内向けは天地がひっくり返る型番になってしまいました。
国内ではかつての KT-3300 という製品(それも普及品)と間違われるのを恐れたのでしょうか。- トリオのブランド名
ケンウッドの社史によると1961年11月に海外向けブランドとして「KENWOOD」を制定したそうです。
それ以降は国内では「トリオ」海外では Kenwood をブランドに使っていましたが、イギリスではもっと遅くまで「 TRIO 」を使っていたそうです。
有価証券報告書の「沿革」で海外の販売または生産会社の設立状況を見ると、アメリカ(1963年12月)、ベルギー(1968年5月)、オーストラリア(1977年8月)、シンガポール(1979年6月)は「 Kenwood 」もしくは「 Trio-Kenwood 」ですが、時期的に遅い 1984年7月に設立したイギリスだけは「 Trio 」となっています。
KT-917 という 日本国内での KT-9900 相当のチューナーがあります。
ネットで見つけても大抵は Kenwood ですが、 my hi-fi kit には TRIO ブランドとなっている KT-917 の写真があります。クリックで写真を拡大できますが、はっきり分かります。
アキュフェーズはもちろんサンスイに比べてもトリオ・ケンウッドの型番の付け方は複雑です。
別の見方をするとラインナップが豊富であったということでしょう。
でも、違う機種に同じ型番を付けるのは止めて欲しいです。
ところで、アキュフェーズ、TU-9900 と TU-X1、L シリーズといった高級品は型番が世界共通なんですね。
思わぬ発見でした。